コード編突入! コードの基本は3和音
11月になりましたね。
2018年ももうこんな時期なんですね。
こちらは感謝祭が終わり、クリスマスに向けて年末気分が盛り上がってきました。
でもLAは雪も降りませんし、夜は冷えても日中はまだ半袖でも過ごせるぐらいなのでロマンチックな感じはほとんどしないんですよね。
こういう時にも日本の四季は素晴らしいなぁとしみじみと思います。
さてさて、メジャースケール、3種のマイナースケール、ペンタトニックスケールとやってきましたが、どうでしたか?
少しでもスケールに対して苦手意識が軽くなったり、親しみを持てるようになっていたりというようなことがありましたら、とても嬉しく思います。
スケールはまだまだ沢山の種類があるんですけど、スケールの道をさらに探求していくにはコードの知識が必要になってきます。
また、別の側面から見てみますと、コードを理解するにはスケールの知識が必要になってきます。
と言いますのも、コードとスケールはとても密接な関係にありまして、「このスケールから発生するコードはこれ」とか、「このコードに使えるスケールはこれ」などといった約束事といいますか、自然の法則みたいなものがあるんですよ。
でも、スケールの知識がないとコードを名前と形で覚えるだけになってしまって、なぜそういう名前がついているのかとか、なんでこの形とこの形が同じコードなんだ?というような疑問はあっても、よく分からずに「そういうもの」として覚えるのに必死になったり、忘れては思い出すを繰り返すのに苦労したりとかしてしまいがちなんです。
その辺りは経験者なのでよぉ~く分かります。
自分もギターのコードを覚え始めた頃は、なかなか苦労をしたものです。
基本的なコードでさえ何個もあってややこしいのに、自分が好きなボサノヴァをやるにはテンションがあるのが当たり前で、なんじゃこりゃ~、こんなの覚えられるかいぃ~っ!?ってなもんでした。
ですが、スケールの知識を身につけてスケールとコードを関連づけることができるようになると、意外や意外、コードを形で覚えるようなことをしなくてもテンションを好きに入れることができるようになりますし、コード表に乗ってないコードを自分で音を選んで生み出すことができるようになってくるものなんですよね。
さらにはコードとスケールを行ったり来たりすることもできるようになりますので、コードだけ、あるいはスケールやフレーズだけに縛られることもなくなります。
そのためには知識だけでなく、それなりの練習量が必要になってきますが、少なくとも、どれだけの音を自由に使えるかという点に関しては、使える幅がかなり広がるのは間違いありません。
言ってみれば、音の設計図を自分自身で自由に描けるようになるってところでしょうか。
それって、とても楽しそうじゃないですか?
コードが自由に使えるようになるのって、ギタリストにとっての大きな喜びの1つですよね。
その喜びのためには、今まで学んできたスケールの知識が土台になってきます。
さぁ、土台ができてきたところで待望のコードのお話に入っていきましょう!
「TAB譜にさよなら!」は、ついにコード編に突入です!!
コードってなに?
コードって和音って言われますよね。
音楽を聴いたときに、ピアノやギターが同時にいくつかの音を鳴らしていて、それが綺麗に響いている時がありますよね。
あれがコード、和音の響きです。
コードにはいろんな種類があるんですけど、とりあえず「コード」と一括りにして説明させてもらいますと、複数の音をバーンと同時に鳴らすとそこに生まれる重なり合った音の響きがコードとなります。
バーンと鳴らすと言いましても、何を鳴らしても同じというわけではなくて、綺麗に響く音の重なりや、濁って聞こえる音の選び方、音がうねってウワンウワンいう音の重なりもあります。
音がウワンウワンとうねってしまうと、その上にいくら綺麗なメロディーが乗っても、素敵な女性が囁くように愛の歌を歌っても、映画のドラマチックなシーンがきたとしても、音のうねりのウワンウワンで台無しになってしまいます。
ですので、音を同時に鳴らす時は音の選択が大切になってきます。
「じゃぁ、どんな音を選んで使ったらいいのかな?」というのがコードの知識になってきます。
コードの基本は3和音
コード/和音と言いますと、じゃぁ2つの音でもコードなの?という疑問が生まれてきますが、コードは3つの音の重なりから生まれる響き、3和音(Triad/トライアド)が基本となります。
コードにはそれぞれの種類を表すコードネームというものがあるのですが、コードネームがつくのは3和音からで、2つの音の時にはコードの種類が確定できないですし、コードというよりハーモニーという解釈で使われることの方が多いんですよね。
あるいは、コードの中の2つの音だけを鳴らしていることもありますので、その場合にはコードネームは確定できます。
ややこしい話は知識や経験が積み重なってくると後々に分かってくるので置いておくとして、コードの基本は3つの音と覚えておいてください。
で、その3つの音の選び方なのですが、ここでスケールを思い出してください。
スケールによって音の数は異なりますけど、基本となるのはメジャースケールとナチュラルマイナースケールですので、分かりやすくCメジャースケールで考えてみましょう。
スケールの音は7つ。
Cメジャースケールから生まれるコードは、この7つの音から選ばれた音の組み合わせということになります。
それではCの音から始めるということで、まずCは確定ですね。
これで3つの和音のうちの1つが決まりました。
さて、問題はここからなんですけど、ここでちょっと振り返ってみてもらいたいことがあります。
人付き合い、人間関係って距離感が大切だなって思ったことはありませんか?
遠すぎちゃうとよそよそしい、近すぎちゃうと馴れ馴れしい。
親しくなりたいけど、図々しいのは嫌だし、かと言って他人行儀になってしまうのはちょっとなぁ。
家族だからと言ってなんでもかんでも言いたい放題だと喧嘩ばっかになっちゃうし、だけど、言わないといけないこともあるしなぁ。
片思いの頃は良い面ばかり見えてたけど、付き合ってみたら喧嘩や意見の食い違いもしょっちゅう。だけど、それでも一緒に居られるのは良いもんだよなぁ。
学生の頃でさえ何かと気をもむ人間関係ですが、社会に出るとなおさら人との距離感について気を配ることが多くなりますよね。
お客様と社内の人間、先輩後輩、上司部下、友人知人、家族に恋人、ご近所さんに赤の他人。
いやぁ~、それぞれに異なった距離感を使い分けての人間関係の中で生きるのって、なかなかに大変なものですよね。
そんな難しいことを僕達は日常生活の中で繰り広げているんですね。
実は、音の世界も距離感が大切になってくるんです。
特にコードはそれが顕著です。
え?難しそうだって?
いえいえ、そんなに心配することはありません。
僕たちが暮らしている社会の中での人との距離感に比べたら、とってもシンプルです。
最初はややこしく感じるかもしれませんけど、ちょっと慣れたらどうということはありません。
なんてったって、僕たちはそれよりももっともっと複雑で、時には痛みや苦しみも伴う中をお互いに手を取り合って生きているんです。
それに比べたら、コードなんてそんなに大したことないですよ。
あなたにできない訳がありません。
え? 俺ニートだからですって?
ふむ、じゃぁこういうのはどうでしょう?
コードに慣れたら、コードが理解できるようになったら、音に距離感があるように人との間にも距離感があって、その距離感によって痛みを感じることもあれば、快適な関係になることもあるんだなって思いを馳せてみてはどうでしょう?
そうやって、いろんな人達が響きあったり、ハーモニーを奏でたり、時にはぶつかり合ってうねったり、時には感動が生まれたりしているんだなって思いを馳せてみてはどうでしょう?
例えば、あなたがスケールの中の1つの音だったとします。
誰かとハーモニーを奏でてみたり、コードの一員となって和音を響かせてみたり、みんなで曲を奏でてみたりすることも、もしかしたらできるかもしれません。
毎回毎回うまくいくとは限りませんし、最初は失敗や痛い思いばかりするかもしれません。
でも、ギターも一緒ですよね。
最初はうまく弾けないですし、手は痛くなるし、自分の下手さ加減に落ち込んだりしますよね。
でも、好きだと不思議と続けられませんか?
大変なこともあるけど、時々上達したと感じられる瞬間があって、その瞬間があるだけで今までの大変なことや長い時間費やしてきたことが報われるだけでなく、それ以上の喜びや嬉しさがある。
そうやってどんどん好きになるし、楽しくなるし、楽しみのために頑張れるし、聞いてくれた人が喜んでくれたら最高な気分にさえなっちゃいます。
あなたの頑張りは、きっとどこかであなたの人生に返ってきますよ。
練習が自分を裏切ることがないように、ギターの練習も人生の練習も僕らを裏切ることはないのではないでしょうか?
あ、話が脱線してしまいましたね。
おじさんになると説教臭くていけませんねぇ。
さてさて、コードの話に戻りましょう。
人間関係で適切な距離感があるように、音にも適切な距離というものがあります。
人の関係が近すぎると衝突したりすることがあるように、音も近すぎるとぶつかり合ってウワンウワンとうねって綺麗に響かなくなりがちなんです。
CメジャースケールのCから見ると隣の音はD。
ギターを手にとってCとDを同時に鳴らしてみてください。
(音を出す前にチューニングをしっかりしておいてくださいね。)
むむ、うねってますねぇ。
じゃぁ、その先のEはどうでしょう?
お、これはオッケーですね。
よし、採用!
これで3和音のうちの2つが決まりました。
次の音はF
…と行きたいところなのですが、ちょっと考えてみてください。
EとFは短2度で音がとても近いです。(音は近いのにギターで同時に鳴らすのは一苦労ですね)
これは…あまり使えそうな響きではありませんね。
いやいや、響きがどうのこうの以前にこんな音の並びは押さえきれません!
お、これはイイ感じじゃありませんか?
3つ目の音、採用決定です!
これで、3和音の音が確定しました。
他にもAやBがありますが、一番コンパクトにまとまった3和音はC-E-Gの3つの音になります。
この一番コンパクトにまとまった3和音がコードの基礎になります。
コードに名前をつけてみよう
さて、3和音が決まったのはイイのですが、毎回毎回 「そこのコードはCEGね。」「もう一回CEG鳴らしてみてくれる?」「あれ、そこのコード進行ってCEG~ACEじゃないっけ?」なんて感じて構成音の羅列で話していると長ったらしいやら、暗号みたいで分けわからんやらでこんがらがってしまいそうです。
そこで、コードに名前をつけて簡単に呼べるようにしてみましょう。
元になった音はCなので、ひとまずCは決まりとします。
この基本となる音、音を重ねていく際の出発点となった音を根っこの音ということで根音(こんおん)と呼びます。
根っこは英語でRoot(ルート)。
なので、英語ではこのコードの根底となっている音をルートと呼びます。
根音ってあまり聞かないですけど、ルートなら聞いたことありますよね?
さて、ルートのCから見るとEは長3度、Gは完全5度となります。
なんのこと?って思われた方はこちらをどうぞ。
で、ここでこのコードの元となったCメジャースケールを調べてみると、このような事が分かってきます。
【Cメジャースケールの中の3度音程】
C-E(長3度)
D-F(短3度)
E-G(短3度)
F-A(長3度)
G-B(長3度)
A-C(短3度)
B-D(短3度)
【Cメジャースケールの中の5度音程】
C-G(完全5度)
D-A(完全5度)
E-B(完全5度)
F-C(完全5度)
G-D(完全5度)
A-E(完全5度)
B-F(減5度)
ふむふむ、3度は長短が半々ぐらいですけど、5度は1箇所を除いてほとんど完全5度ですね。
減5度は7つのうちの1つだけなので、5度音程は完全5度が基本で、減5度は例外的な扱いとしておきましょう。
ということは、3度が長か短かというところで大きく分類される事になってきますね。
●C-Eは長3度。
●C-Gは完全5度なので、別に記述しなくても良し。
(例外な時だけコードネームに記述すればイイということですね)
●3度が長か短かでコードが大別される
●長音程はメジャー、短音程はマイナー
というわけで、コードネームの鍵は3度の音程がメジャーかマイナーかという点が大きく関係してきます。
これはスケールでも同じことでしたよね。
3度がメジャー(長音程)なスケールはメジャー(系)スケール、3度がマイナー(短音程)のスケールはマイナー(系)スケールでした。
コードも同じで、3度がメジャーならメジャー系のコード、マイナーならマイナー系のコードとなります。
なので、C-E-Gの3和音はCがルートのメジャーコードということで「Cメジャー」というコードネームが割り当てられています。
『C(ルート)・メジャー/マイナー(3度の音程)』
これがコードネームの付け方の基本となります。
4和音やテンションコード、5度音程が減5度、さらには1-3-5以外の音の組み合わなどの複雑なコードになってくると、上記の呼び方に追記されていくことになりますが、「ルート・種類」という呼び方になっていることは変わりませんので、まずはその点を押さえておくとコードネームがだんだんと分かってくるようになります。
3和音をギターで試してみましょう
ちょっと指板の上で実際に音を出して確かめてみましょう。
ふむふむ、確かに響きが違いますね。
文字で見るとややこしく感じるコードの説明ですが、実際に指板で見てみるとメジャーコードとマイナーコードの違いは3度の半音違いだけというシンプルなものですね。
●コードの基本は1-3-5の3和音
●メジャーコードとマイナーコードの違いは3度の音
●コードネームは「ルート・種類」
これから色々なコードが出てきますが、これらのことを覚えておくとそんなに複雑なものでもないなぁと思ってもらえるのではないかと思います。
さてさて、今回はコード編の導入ということで長いコンテンツとなってしましたが、ひとまず、ここで区切らせてもらいまして、続きはまた次回にしたいと思います。
それでは、また次回のトピックをお楽しみに♪
あ、そうそう!
お知らせなんですけど、初音ミクを使った自分のオリジナル曲を先日Youtubeにアップしたんですよ。
演奏も編集もまだまだ実力不足ですが、少しでも楽しんでもらえましたら嬉しいです。
よかったら聞いてやってくださいませ。
今後も色々と音楽的に色々なアイデアを形にしていきたいと思っていますので、「TAB譜にさよなら!」と合わせて楽しみにしていただけると幸いです。
ではでは、また次回のトピックでお会いしましょう!
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